ニベ

ニベ ススズキ目・ニベ科

ニベ

ニベ 1ニベ 2ニベ 3ニベ 4

標準和名 ニベ
分 類 スズキ目・スズキ亜目・ニベ科・ニベ属
学 名 Nibea mitsukurii
英 名 Honnibe croaker
分 布 瀬戸内海や日本海、東シナ海など
生息環境 沿岸の砂泥底や泥底など
全 長 70~80cm 程度
別名・地方名 ヌベ(鹿児島)、アカグチ(熊本)、クログチ(長崎)、グチ(愛媛・高知・静岡)、その他・ホンニベ、イシモチ、コイチ(いずれも混称)など
備 考 背びれ・11棘26~31軟条、しりびれ・2棘7軟条
ニベは日本や東シナ海に分布している海水魚で、国内では東北から九州南岸辺りまで分布していて、瀬戸内海でも見られる。

体は長い楕円形で、側扁している。
背びれの基底は長く、棘条部から軟条部に続く辺りでは深く窪んでいる。
また、吻は短くて口は小さく、尾びれの後ろ縁はやや三角形をしている。

体色は銀白色で白っぽいが、側線から背びれに向かい、鱗に沿って斜めに連なる暗色の斑が見られ、背側は黒っぽくも見える。
オオニベ程は大きくならないが、全長70~80cm程に成長する。

同科のコイチやシログチに似ているが、コイチの腹側は黄色っぽく、胸びれや腹びれ、しりびれなども黄色味を帯びていて、背側に見られる斜めに連なる暗色の斑列も、ニベに比べると乱れた感じがする。
また、シログチには裏蓋上部に黒い斑があるが、ニベにはなく、鱗はニベの方が小さい。

ところで、ニベの類は浮袋を収縮させグーグーと言うような音を出すが、4~9月頃の産卵期には集まって特に大きな音を出す。
この音は、水深10m程なら船の上からでも聞こえると言われている。

また、ニベはホンニベとも呼ばれているが、地方名も多く、シログチやコイチなど共に、イシモチやグチなどとも呼ばれている。
イシモチは耳石が大きいことから付けられていて、グチは浮袋から出す音に由来しているが、シログチの標準和名は、かつてはイシモチとされていた。

ニベは沿岸の砂泥底や泥底に生息し、甲殻類や多毛類、小魚などを食べるが、冬期には大群となって内湾などにも侵入する。

他の魚と共に底曳き網や定置網、巻き網などで獲られ、食用に利用されている。
白身の魚で、煮つけや塩焼き、汁物や刺身、加工用など、広く用いられ、美味しいものとされている。

この他、かつては本種の浮袋を煮詰めて接着力の強い膠が作られていたが、慣用句の「にべもない(ベタベタしていない・愛想がない・そっけない)」はここに由来している。

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