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ツバメウオ スズキ目・マンジュウダイ科



ツバメウオ


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標準和名 ツバメウオ (燕魚)
分 類 スズキ目・ニザダイ亜目・マンジュウダイ科・ツバメウオ属
学 名 Platax teira
英 名 Longfin batfish
分 布 インド洋や西太平洋など
生息環境 沿岸の岩礁域など
全 長 70cm 程度
別名・地方名 ツバクロ、ツバクロダイ、ツバメダイ、アブラウオなど
備 考 背びれ・5~6棘28~37軟条、しりびれ・3棘22~28軟条
ツバメウオはインド洋や西太平洋などに分布しているマンジュウダイ科の海水魚で、国内では釧路より南の太平洋側、富山湾辺りより南の日本海側などに分布している。

体は丸い楕円形で、体高は高く強く側扁している。
体色は黄褐色や灰色などで、背びれとしりびれの基底は長くて幅広い。
胸びれの後下方には大きな黒色の斑があり、腹びれは黄色っぽい。
鱗は櫛鱗で、老成すると吻の前縁はほぼ垂直になる。

また、ツバメウオは成魚と幼魚とでは体つきや体色が異なっていて、幼魚の体は菱形をしていて、背びれ、腹びれ、しりびれが成魚に比べてかなり大きい。
体色も茶褐色や赤褐色などで、体側には何本かのはっきりとした幅広い黒色の横帯が見られる。
この内の1本は眼を通っているが、これらの横帯は成長するにつれて不明瞭になり、各ひれも小さくなる。

ナンヨウツバメウオとはよく似ているが、ナンヨウツバメウオの腹びれは黒いが、本種は黄色をしている。
また、ナンヨウツバメウオは本種に見られる胸びれ後方の黒色の斑は見られない。

ツバメウオの成魚で九州より北でふつうに見られるのは本種だけで、沿岸の浅海の中層などに生息している。
ふつうは小さな群れをつくっているが、時には100を超える群れも見られ、雑食性で魚や甲殻類、軟体動物などの他、藻類なども食べる。

また、幼魚は流木などと一緒に表層を漂う生活をしていて、体色や体つきなどから枯葉のように擬態しているとも考えられているが、国内の沿岸域ではほとんど見られない。

ツバメウオは他の魚に混じって定置網などで獲られ、食用に利用されている。
大きいものでは1m近くになるものも見られ、刺身の他、塩焼きなどに利用され、一般に美味しいものとされている。
また、幼魚は観賞用に利用されることがあるが、ミカヅキツバウオと違って人に馴れやすく、餌付けをしやすいと言われている。

尚、同じような名前のものにヒメツバメウオがいるが、ヒメツバメウオはヒメツバメウオ科に属していて、体つきも違うし、大きさも小さい。
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