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カワスズメ スズキ目・カワスズメ科



カワスズメ


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標準和名 カワスズメ
分 類 スズキ目・カワスズメ科(シクリッド科)・カワスズメ属
学 名 Oreochromis mossambicus
英 名 Mozambique tilapia
分 布 アフリカ東部
生息環境 河川や湖沼など
全 長 30~40cm 程度
別名・地方名 モザンビーク・ティラピア
備 考 背びれ・15~17棘10~13軟条、しりびれ・3棘9~12軟条
カワスズメはモザンビーク・ティラピアとも呼ばれているように、アフリカ東部の河川の下流域や汽水域、湖沼などに分布しているが、食用などの目的で、アジア各地やオーストラリア、北アメリカなどの他、太平洋の島嶼部にも幅広く移入されている。

国内には1954年にタイから移入され、温泉地のため池などで飼育されたのち各地に広がり、現在は鹿児島本土や沖縄島、石垣島、小笠原などのほか、北海道でも温泉や温排水の流れ込む水域に移入定着している。

体は卵円形で側扁している。
体色は銀白色で、体側にはいくつかの不明瞭な横帯が見られ、背びれの基底は長い。
また、上顎の長さは雌雄で違っていて、雄では唇が肥大して口が大きく、アヒルの嘴を思わせる。

水草や底性動物のほか動物プランクトンなどを食べるが、カワスズメは水温が20℃を超えると年中産卵するとされている。
産卵頻度はおよそ3~4週間に1回程度と言われ、産卵期には雌雄共に体色が黒っぽくなる。
また、雄の胸びれや背びれ、尾びれの縁などは赤くなる。

一夫一婦で、雄は水底にすり鉢状の産卵床をつくり、縄張りを張る。
雄は近づいてきたものに対しては激しく争うが、この時には体色がめまぐるしく変化する。

また、カワスズメの産卵行動には特徴があり、雌は産卵直後に卵を口に入れ、雄が放精したあたりの水を一緒に吸い込み、受精は雌の口内で行われる。
雌はそのまま卵を守り、孵化した仔魚を口内で保護する習性がある。

カワスズメは原産地や移入先によっては重要な食用魚として利用され、養殖などもされているが、国内に定着しているものは、食物や産卵場所の競合など、在来種への影響が懸念されている。

カワスズメは成長が早く、雌では10cm程に成長すると産卵能力を持つと言われていて繁殖力も強い。
また、水温や塩分の変化にもよく適応していて、水温では17~38℃、塩分濃度は海水の2倍でも耐えると言われている。
この為、特定外来生物法によって要注意外来生物として指定されている。