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ニジマス サケ目サケ科



ニジマス


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標準和名 ニジマス
分 類 サケ目・サケ科・サケ亜科・タイヘイヨウサケ属
学 名 Oncorhynchus mykiss
英 名 Rainbow trout / Steelhead
分 布 北太平洋沿岸
生息環境 河川や湖、沿岸域など
全 長 60~120cm 程度
別名・地方名 ホンマス、マス、ギンスケなど
備 考 背びれ・10~12軟条、しりびれ・8~12軟条
ニジマスは、カムチャッカ半島からアラスカを経て、メキシコのバハカリフォルニア州辺りに至る北太平洋沿岸に自然分布しているサケ科の淡水魚で、一生を淡水で過ごす河川残留型と、海へ下る降海型とが知られている。

国内には1877年以降に移入され、北海道などに外来種として定着している。
各地で釣りを目的とした放流も行われていて、東京や和歌山、中国地方などでも移入定着していると言われている。

体は側扁していて、頭部は比較的小さい。
脂鰭があり、尾柄は高くて、尾びれの後ろ縁は僅かに湾入している。

体色は生息地や大きさ、雌雄などによって変化があるが、河川残留型のものは、体側に赤っぽい縦帯が見られ、小さな黒斑が体側から背側にかけて散らばっている。
背びれや尾びれなどにも黒斑が見られ、産卵期の雄では、体側の帯が特に鮮やかになることから、この様子を「虹」に例えて名前が付けられている。

降海型のものは、海の色に溶け込むように全体に暗い銀色で、頭部も黒っぽいことからスチールヘッドなどと呼ばれている。
また、体は降海型の方が大きく。河川残留型のものはふつう全長40~60cmだが、降海型のものは全長100cmを超えるものも見られる。

陸封型のニジマスは河川の中・上流域や湖などに生息しているが、冷水を好み、ふつうは水温が25℃以上になるような水域や、酸素濃度が非常に低い池などでは見られない。

国内では河川上流に生息していて、すべて河川残留型で、海へ下ることはないとされている。
イワナと混生していたり、ニジマスだけで生息していることが多く、イワナやヤマメなどに比べると流れの速いところで見られる。

小魚や甲殻類、水生昆虫や落下昆虫、魚卵などを食べるが、藻類や、海では頭足類なども食べる。

北半球での産卵期は11~5月頃で、南半球では8~11月頃と言われている。
雌は砂礫底や砂利底などに産卵床を掘って、一度に700~4000個程の卵を産む。

卵は直径3~6mm程で、大きさや産卵数は雌の体の大きさによって違いがある。
卵は、環境などによって、4~7週間程で孵化するが、雌は数日間にわたって産卵を行う。

孵化後の仔魚は全長12~20mm程で、雄は2年で成熟し、雌は3年で産卵するものが多い。
また、ニジマスは1度の繁殖では死んでしまう他のサケ類(シロサゲなど)とは違い、数年にわたって繁殖行動を行なう。
平均した寿命は6~8年程度と言われているが、長いものでは11年のものが知られている。

ニジマスは大切な食用魚で、塩焼きや炒め物、ムニエルなどに利用され、美味しいものとされている。
また、燻製や冷凍物、缶詰などにも利用されているほか、釣りの対象魚にもなっている。

国内でも、養殖のほか、各地で釣り用の放流も行われている。
しかし、ニジマスは外来生物法で要注意外来生物に指定されていて、ヤマメやアマゴ、イトウなどとの競合などが懸念されている。
自治体によっては移植禁止などの措置がとられていて、海外でもサケ科魚類との競合や交雑などの影響が出ている。

尚、ニジマスは幾つかの亜種が知られているほか、中南米やアジア、ヨーロッパやアフリカ、オセアニアなど、汎世界的に移入されている。
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