イチモンジタナゴ

イチモンジタナゴ コイ目・コイ科



イチモンジタナゴ


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標準和名 イチモンジタナゴ
分 類 コイ目・コイ科・タナゴ亜科・タナゴ属
学 名 Acheilognathus cyanostigma
英 名 Striped bitterling
分 布 濃尾平野、琵琶湖淀川水系など
生息環境 湖沼や池、用水路など
全 長 6~8cm 程度
別名・地方名 タナヘラ、ニガベラ、ヒゴイ(混称)など
保護状態 環境省レッドリスト・絶滅危惧IA類(CR)
イチモンジタナゴは濃尾平野、琵琶湖淀川水系、和歌山県紀ノ川水系、福井県三方湖などに自然分布する淡水魚で、富山、岡山、熊本と四国地方にも移入されている。

体つきは他のタナゴ類のように側扁しているが、タナゴに次いで体高が低く、ほっそりとした感じがする。
口ひげは短く、成長すると更に分かりにくい。
側線は完全で、雄の方が大きくなる。

肩には暗い斑は見られないが、イチモンジタナゴには、名前のように、体の側面から尾びれにかけてはっきりとした青緑色の長い縦条がある。
また、この青緑色の縦条の上には、光によって色調の変わる青色の帯も見られる。

イチモンジタナゴは浅い湖沼や池、平野部の細流や灌漑用水路、河川敷のワンドなど、流れのゆるやかなところに生息しているが、泥底や砂泥底の水草や藻の多いところに多く、水生の小動物のほか付着藻類を主に食べる。

繁殖期は4~8月で、他のタナゴ類のようにマルドブガイ、カラスガイなどの二枚貝に卵を産み付けるが、一度の産卵で1~4粒の卵を産みつけ、これが何度か繰り返される。

この時期の雄は、腹部などに赤みが増し、しりびれの縁はピンク色に変わり、各ひれも赤っぽく色づく。
また、吻や眼のまわりなどに追星が表れる。
雌では産卵管が長くなるが、この長さはタナゴ類の中でもっとも長くなる。

卵は2日程でふ化し、しばらくは貝の中に留まった後、8mm程度に成長すると貝の外に泳ぎ出てくる。
仔魚の間は浅場に集まり、動物プランクトンを食べるが、ヤリタナゴなどの仔魚と群れをつくることも多い。
雌雄ともに満1年で成熟し、1年で3~5cm、3年で6~7cm程に成長するが、自然下での寿命は2~3年程度と言われている。

近年は生息地における水質の悪化や河川の改修による生息場所の減少などの他、オオクチバスコクチバスなどの外来魚による食害や産卵に必要な二枚貝の減少などによって、イチモンジタナゴの生息数は激減してしまっている。

現在は環境省のレッドリストに絶滅危惧種・ⅠA類として指定され、保護されている。


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