クサフグ

クサフグ フグ目・フグ科



クサフグ


クサフグ 1クサフグ 2クサフグ 3クサフグ 4

標準和名 クサフグ (草河豚)
分 類 フグ目・フグ科・トラフグ属
学 名 Takifugu niphobles
英 名 Grass puffer
分 布 日本から東シナ海など
生息環境 沿岸の内湾など
全 長 16~20cm 程度
別名・地方名 アカメフグ(島根)、スナフグ(広島)、メアカフグ(静岡)、ナゴヤフグ(銚子)など
備 考 背びれ・12~14軟条、しりびれ・10~12軟条
クサフグ(草河豚)は青森辺りから南の日本沿岸に分布している小型のフグで、朝鮮半島の西部や南部、台湾海峡からトンキン湾にかけての中国沿岸やベトナム中部辺りにかけても分布していて、東シナ海の一部でも見られる。

腹びれはなく、体色は背部が灰色のほか、名前のように緑色や濃緑色などをしている。
腹部は淡く、体側にははっきりとした小さな白い斑が散在し、体の背面と腹面には小さな棘が密生している。

一見するとコモンフグに似た感じがするが、クサフグの胸びれの上部と背びれの基底にはよく目立つ黒い斑があるので見分けることができる。
また、マフグとも似ている感じがするが、クサフグの体には小さな棘が密生しているが、マフグの体には棘がなく滑らかで、斑の色も違っている。

コモンフグなどと共に、国内の沿岸や内湾に普通に生息し、ゴカイ類や小型の甲殻類、軟体動物など、様々なものを食べる。
砂底や砂泥底に多く見られ、砂の中によく潜りこむことから、別名「スナフグ」などとも呼ばれる。

また、クサフグは淡水が混ざる汽水域などでも見られるが、希に河川の中流域まで上ってくることがある。
しかし、国内で見られるフグの中ではもっとも川を上ると言われているが、純淡水域に長く留まることはない。

胸びれやしりびれなどを使って泳ぐが、ほかのフグの仲間と同様、泳ぎはうまくない。
しかし、危険を感じた時などは、思っている以上に素早く泳ぐ。

クサフグの産卵期は5~8月頃で、大潮の夜に、沿岸部に大きな群れになって押し寄せて産卵する。
砂と砂利が混ざったような波打ち際の礫底で、雌が産卵した後、雄が一斉に放精するが、産卵活動は1時間程も続く。
この産卵活動は大群でなされるため、波打ち際が白く濁るほどである。

クサフグの肝臓や卵巣には強い毒があり、腸や皮膚などにも毒をもっている。
この為、市場などで流通することはないが、調理師が料理したものは食用に利用することが出来る。

刺身や味噌汁、鍋物などに利用され、淡白で美味しいものとされるが、弱いながら肉にも毒があるので、釣りなどで獲れても家庭での調理は避けたほうがよい。


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