ヒトヅラハリセンボン

ヒトヅラハリセンボン フグ目・ハリセンボン科



ヒトヅラハリセンボン


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標準和名 ヒトヅラハリセンボン
分 類 フグ目・フグ亜目・ハリセンボン科・ハリセンボン属
学 名 Diodon liturosus
英 名 Black-blotched porcupinefish / Bleeker's porcupinefish
分 布 主にインド洋や太平洋など
生息環境 沿岸の岩礁域など
全 長 50~60cm 程度
備 考 背びれ・14~16軟条、しりびれ・14~16軟条
ヒトヅラハリセンボンは主にインド洋や太平洋の温帯から熱帯域にかけて分布するハリセンボンの仲間で、東シナ海から南シナ海を経てアラフラ海、グレートバリアリーフ、ミクロネシアなどの西太平洋のほか、ハワイ諸島やカリフォルニア半島からメキシコ沿岸などの中部・東太平洋にも分布している。

北緯30度~南緯30度辺りにかけての海域に多く見られ、アラビア海を含む同緯度のインド洋にも分布しているほか、東カリブ海やアフリカ南東部など、大西洋の一部にも分布している。
また、国内では南西諸島より南に多く分布しているが、紀伊半島辺りでも見られる。

体は長い卵型で、体表は鱗が変化した棘で覆われている。
眼は大きく、吻は短くて口は小さい。
歯はフグの仲間のように癒合していて、上下の顎にひとつずつの歯をもっている。

腹びれはなく、体色は背方が淡褐色で、腹方は白っぽい。
体側には、暗色の小さな斑点が散在しているが、各ひれには黒色の斑などは見られない。

また、ハリセンボンのように数個の暗色斑が見られるが、斑の周りは淡黄色や白色で縁取られているほか、鰓孔の前にも黒い斑が見られる。
成長すると60cmを超えるものもいてハリセンボンよりも大きくなるが、体表の棘はハリセンボンよりは短い。

沿岸のサンゴ礁や岩礁域、その周辺の砂底や礫底などに生息していて、多くは水深30m程のところに見られるが、水深90m程のところにも生息している。
成魚はふつう単独で生活していて、日中は岩陰などに潜んでいることが多い。

夜になると活動をはじめ、貝類や甲殻類などのほか、ウニなどの硬い殻も丈夫な歯で噛み砕いて食べてしまう。

危険が迫ったときには、フグのように水や空気を吸い込んで体を膨らませて威嚇するが、棘はハリセンボンのように立てることができ、イガグリのようになって身を守る。

ヒトヅラハリセンボンは無毒とされているので、時には食用としてハリセンボンと同じように利用される。
しかし、ハリセンボンと同様、東カリブ海で獲れたものの中からはシガテラ中毒の報告もあるので、食用に利用する場合、地域によっては注意が必要である。


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